その「だんじり野郎」が言うんですよね。
皆さんコンニチハ。リトマです。
この間、久しぶりに思い出したかのように「小藪一豊の滑らない話」を見ました。
いやあ、何回見ても笑える。プロの芸人さんっていう喋りっぷりです。
さすが元吉本新喜劇座長。
今日はそんな小藪のトークから、皆さんに高度な日本語テクを学んでいただきたいと思います。
名付けて「小藪一豊から学ぶ、話上手になるための日本語講座。」です。
それではどうぞ。
小藪一豊
https://lifemagazine.yahoo.co.jp/articles/3775 より搭載。
知らない人のために一応紹介を。
小籔 千豊(こやぶ かずとよ、1973年9月11日 – )は、日本の喜劇男優、お笑いタレント、ミュージシャン。よしもとクリエイティブ・エージェンシー(東京吉本)所属。吉本新喜劇元座長。大阪府大阪市住吉区(現・住之江区)出身。(Wikiより)
小藪一豊は吉本新喜劇の元座長。バラエティ番組やロケ番組に多く出ており、多彩な言語センスでのトークやツッコミに定評があります。スベらない話でMVPをとったことでも有名で、今や知らない人がいないぐらいの人気芸人と言えるでしょう。
筆者も昔から大好きでよくYoutubeやテレビで見ています。
そんな小藪。彼がココまで支持される理由はなんでしょうか。
色々な理由があると思いますが、彼の人気を大きく下支えしているのは、ずばりこれだと思います。
トーク力。もっと大きく言えば、彼の日本語力です。
彼のトークは聞いてて気持ちいいぐらいの「リズム」があります。
一度でも彼をテレビで見たことがある人は分かると思いますが、彼の考えや人柄はおいといて「トーク」に関しては聞いててとても気持ちいいです。
今回は有名な「スノーボード」の話について少し解説を交えて見ていきたいと思います。
まずはこちら。
音声だけですがYoutubeに上がっていますので、未だの方も見たことがある方も、もう一度見ていただきたいと思います。
この話に色々なエッセンスが入っているんですよね。少し見ていきましょう。
比喩の再利用
私の考えるに、小藪のトークの中でもすごく特出しているのは、「比喩の使い回し」です。
「助手席乗ってますけど、ホンマだんじりの上乗ってるぐらい」
スノボに一緒にいった嫁の先輩が、車内で場を回そうとしている様子を例えた表現です。
ここで、見ているこっち側は一回笑いに包まれます。
普通だったらココで終わってしまうんですよね。
しかし小藪はその後、
- 「次、だんじり野郎の番。」
- 「だんじり野郎がおるんスよね車の中に。」
- 「行きしなあんなにだんじりで騒いでたのに、もう今動かないやんこの人おもて。」
と、「だんじり」という比喩を使いまわします。
「比喩がうまい人」と言うだけでも日本語力はかなりあると思いますが、小藪はその比喩を再利用することで「リズミカルに」更なる笑いを引き起こします。
本来だんじりとは全く無縁な「先輩」が、小藪の比喩によって「だんじり野郎」というアイデンティティーを確立します。聞いている側は、この人が話に登場するたびに、「だんじり」というワードで何かしらの「面白さ」を感じることができるのです。
小藪はほかにも、
「オカリナをそ〜っと吹いたみたいに。」
と、だんじり野郎のか弱い声を例えています。
そしてその後で、その場面に対して
「ソーッとオカリナ吹くなや!」
と比喩の再利用をしています。
このように、「比喩の再利用」は小藪の面白さの重要なポイントなんですね。すごくテクニカルです。
もちろん、そもそもの比喩自体のおもしろさも独特です。
先程の例以外にも、
- 「気をつけしてして空見てたんスよ。」
- 「行きしなの車が走馬灯のように。」
- 「われ、覇者なり。みたいな感じで。」
- 「もちろん一日券っしょ!みたいな感じで。」
- 「われは相当な司会者なり、みたいな感じやったのに。」
などなど、たくさんの比喩を使っています。(「走馬灯」の例はどちらかと言うと語彙力ですね)
私がキャッチしたこれらの他にもたくさん比喩は含まれていると思います。
しかし特に最後の3つの比喩は独特で、比喩に加えて「リズム」を使っています。
動画を見ていただければ分かると思いますが、比喩の部分をかなり強調してリズム付けしており、「比喩された部分」を聴く人の「印象に残るワード」に変えています。
小藪といえばコレ!というほど私としては印象的なテクニック。
しかしそれだけではなく、小藪はこれら「ワード」も使い回すのです。
話の一番最後のオチに向かう部分で、これら「ワード」をだして笑いを誘っています。この「使い回し」の技術が、とても高度なテクニックだなあと思うわけです。
小藪は他にも、
「そんな感じで声出るんって感じの話なんスけど。」
と、話のはじめにオチを匂わす文章をつけることでオチの場所をわかりやすくしたりだとか、
「だんじり野郎」のくだりの時に体でその状況を表現したり、間の置き方が上手だったり。
彼はたくさんの「トークスキル」を持っています。それら全て含めて、我々聞き手は無意識的に「面白いな」と感じるわけです。
これらの技術を彼が全て意識的にしているかは分かりませんが、そうだとしたらものすごい腕前です。(無意識だとしたらそれはそれで凄い才能ですが)
小藪一豊の日本語会話テクニック集などがあれば、結構売れるのになあと思います。
「比喩の独特さ」と「比喩の使い回し」
ぜひ皆さんも小藪に学んでトーク力アップにチャレンジしてみてください。
終わりに
いかがでしたか?
今回は小藪一豊に学ぶ日本語講座でした。
「白ご飯をお箸で食べる星人に物申す。」の記事でも書いたように、日本人が日本語を意識的に学ぶことは少ないです。
皆さんもこのような「高度なトーク力」をお手本にして、日本語力向上を目指してみてはいかがでしょうか。
他にも芸人さんには「日本語」に長けた人が多くいますので、また違う記事で紹介したいと思います。
次書くなら「千鳥」ですかね(笑)
ぜひ楽しみにしていてください。
ご精読ありがとうございました。